シードルは、リンゴを主原料とした醸造酒です。主にリンゴ果汁を発酵させて造られ、ラテン語で「果実を醗酵させてできた酒」を意味する「シセラ(Cicera)」が語源と言われています。
スパークリングワインのように泡立ちのあるシードルは、クリアなものから清楚なレモンイエロー、淡いピンク色、ゴールドやオレンジがかった色まで、彩り豊かなアルコール飲料です。
シードルのアルコール度数は3~8度で、ワイン(10~14度)よりも低めです。味わいは辛口から甘口まで、発泡性、非発泡性のものなど種類もさまざまです。低アルコールで軽く、フルーティで爽やかな味わいのシードルは、健康に気をつかっている人やお酒が苦手な人など、女性を中心にヨーロッパやアメリカで人気上昇中です。
最近、ハードシードルと呼ぶ生産者も増えてきていますが、シードルとハードサイダーはどちらもリンゴのお酒です。シードルは主にリンゴだけを原材料に使用しているのに対し、ハードサイダーはリンゴ100%のものからホップやスパイス、茶葉といった副素材と共に醸造されるものまで自由自在です。その醸造スタイルの違いにより、呼び方を変える傾向にあります。
リンゴから造ったと聞くと、甘いお酒だと思う人が多いのですが、シードルはスパークリングワインと同じように甘口から辛口まであります。発酵させる期間が短ければ甘口となり、長いほど辛口になります。フランスではDoux(ドゥ、甘口)、Demi-sec(ドゥミセック、中辛口)、Brut(ブリュット、辛口)があり、またフランス以外の国では、Sweet(スイート、甘口)、Dry(ドライ、辛口)と表記しているものもあります。
フルーティーな香りやライトな飲み口が魅力で、気軽に楽しむことができるシードル。実は、今、日本のシードルの人気も高まりつつあります。リンゴの産地である長野県などを中心に、地元のリンゴを使ったシードルが増え、産地を中心に盛り上がってきています。